神奈川県大和市のひらの動物病院では、犬・猫の心臓病(循環器疾患)診療、腫瘍科診療、がん治療にも力をいれており、心臓病(循環器疾患)専門外来を設ける他、腫瘍外科手術、化学療法(抗がん剤治療)のみならず、犬・猫のがん免疫療法(活性化リンパ球療法)、緩和医療(痛みのケア)を積極的に取入れ、ホリスティックにQOL(生活の質)を支えます。

〒242-007 神奈川県大和市中央林間2-3-11 tel:046(272)5300
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ロックとマック 東日本大震災で迷子になった犬...



東海林綾獣医師@(福島警戒区域内動物救援獣医師チームVAFFA311)が警戒区域内での動物救援活動(2011年7月16-17日 )後に記した手記を原案として、絵本作家:なりゆきわかこさんによって書かれた絵本『ロックとマック 東日本大震災で迷子になった犬』 が、大変多くの方々にお読みいただけているとの連絡を、作家なりゆきさんから頂きました。

以下、なりゆきさんからのメールの転載です(一部修正)



平野先生

吉報です。
「ロックとマック」発売たった一週間で初版1万部完売です。
増刷決定になりました。
児童書はだいたい、初版が三千〜六千というところなので、1万も強気な数字だったのですが、売れました。
 
印税は、東海林先生と共通にお出ししたお手紙に書いたように「*****」さんに送られます。
また平野先生がたが義援金募集を始められたら、私がいただいた原稿料をお振込みします。まだもらっていませんが・・(#^.^#)
 
ほんとうにありがとうございました。
何社かまわって、どこも相手にしてくれなかった原発の犬の話を角川書店から偶然「被災地の動物の話を書いてください」と依頼されて・・
これはわたしの運が良かったというより、被災地のわんにゃんたちや、平野先生はじめわんにゃんを助ける人々の力がチャンスを持ってきてくれたのだと思います。
 
のちほどまたご連絡いたします。
とりあえず、感謝の心をお伝えしたく、しつれいいたしました。



なりゆきさんのご好意で、印税は東北にある被災動物救援団体におくられ支援金となります。

大変多くの皆様方からあたたかいご支援・ご協力をいただけていること、心より感謝・御礼申し上げます。


◆◇◆ 犬:27頭 猫:22頭  ◆◇◆


7月16日-17日の福島警戒区域内動物救援獣医師チームVAFFA311の活動において、 福島第一原発半径20km圏内警戒区域内の ワンちゃん:27頭 猫ちゃん:22頭 を保護し、警戒区域外に搬出しました。

保護された子たちは、皆、保健所にて正しくスクリーニング検査をうけ、それぞれの一時保護施設(シェルター)に移送し、獣医師による健康チェックの上、必要に応じて外部寄生虫駆除、ワクチン接種を施しています。今後、ご家族のもとに戻れる日まで、獣医師やボランティアの方々の熱心なケアのもとで生活することになります。

VAFFA311では一、彼らが一日でも早くご家族のもとに戻れるよう、搬出後のケアにも参加していきます。どうぞ、皆さまのご理解、ご支援の程、宜しくお願い申し上げます。

福島警戒区域内動物救援獣医師チーム VAFFA311 事務局


[7月17日活動手記] 福島警戒区域内動物救援獣医師チームVAFFA311
7月17日(日曜日)


3時半に起床し、郡山駅前に4時半集合。川内村体育館に6時半到着。朝礼後、準備が整った班から、順次、各々の警戒区域内担当地域に向けて出発。当第4班も、前日に目撃記録を残した箇所から保護活動を開始した。

作業効率を高める為、保護班F、記録・フード等設置班Gとし行動した。ボランティアの方々の素晴らしい働きにより、前日、保護した仔犬達の母犬を保護する伴に、4頭の猫を保護した。当日は警戒区域内での保護活動の他、シェルターへの動物収容・確認、ID紐づけ作業、健康チェック、ワクチン接種並びに外部寄生虫に対する投薬処置、隣県獣医師会を通じた動物病院への一時搬送といった随伴する処理の確実性が要求された事から、昼をもって警戒区域内での活動を終了とし、双相保健所への移動を開始した。

昨日同様、6号線を北上し、保健所でのスクリーニング検査を経て、15時にシェルターに到着。シェルターでもボランティアの方々が多数、散歩や清掃、保護動物の健康管理に懸命に従事しておられた。

16時30分、保護動物の受渡しを完了。当チームの現地での活動を終了とし、ボランティアの方々と別れ、帰途についた。


当チームの、今回の拡大的福島警戒区域内動物救援活動の目的は、警戒区域という境界内に留め置いてしまった動物達に、再度、ヒトとの関わり・生活を取り戻してもらう事にある。しかしそれは、動物の為だけの救援活動ではなく、警戒区域内での感染症病態の発症、動物同士の無秩序な繁殖、動物達の半野生化から、今、彼らを遠ざける事で、警戒区域という境界がとり除かれた将来、確実になされるであろう地域復興に向けての導入であると考える。

報告を終えるにあたって、チーム所属獣医師、ボランティアの方々、活動を主導して下さった原子力災害現地対策本部をはじめ,福島県職員、福島県獣医師会及び近隣の県獣医師会の諸先生方、シェルターの維持・管理に積極的にご協力頂いている多くの有志の方々に感謝致します。

また、今回の活動と直接的な関わりは乏しくても,全国の警察や消防・自衛隊の方々、多くの自治体からも駆けつけて頂いた方がおられる事も忘れる事はできません。ご支援頂いた皆様に、心より感謝申し上げます。誠にありがとうございました。


※7月16-17日の福島警戒区域内獣医師チームVAFFA311の活動で保護された犬:27頭、猫22頭


[7月16日活動手記] 福島警戒区域内動物救援獣医師チームVAFFA311
7月16日(土曜日)


6時起床。強い日差しのなか7時に郡山駅前にて集合。メンバー表、日程表等の配布、夏堀団長からの指示等を受けた後、活動基点となる川内村村民体育センターに向けて出発。

約1時間半の移動を経て到着し、9時より朝礼開始。団長、馬場獣医師、福島原子力災害対策本部・田嶋要本部長からの挨拶があり、獣医師ならびにボランティアの方々との顔合わせ。朝礼終了時には震災において亡くなられた方々、動物達にむけて、参加者全員で1分間の黙祷を捧げた。

参加獣医師数15名、参加ボランティア数30名、車両15台により8班が組織され、私の参加する第4班は、獣医師2名、日本人ボランティア2名、外国人ボランティア3名の計7名、車2台という編成となった。各班に分かれ、誓約と行程確認を済ませた後、午前10時、8班それぞれが警戒区域内での活動担当地域に分散した。第4班は出発地から約30kmにある担当地域へ向い、救援依頼を受けた場所から順にチェックを始めた。

道路の亀裂・陥没等もあり運転は慎重とならざるを得ず、また強い日差しの中での捜索は体力を消耗したが、ボランティアの方々の動物保護に対する情熱は、眼を見張るものがあった。残念ながら依頼を受けた場所での動物保護には至らず、引き続き、通行路から見える犬舎等のチェック、動物の鳴き声に耳を傾けながらの移動となったが、強烈な陽射しにより、徘徊する動物は殆ど見受けられなかった。その後、猫を一頭保護。続いてボランティアの方々の熱心な捜索により、生後40日程度の仔犬5頭を保護した。

約30km離れた双相保健所でスクリーニング検査を受ける為、14時過ぎに国道6号線を北上開始。移動途中においても動物の生活の痕跡が見られれば記録し、水とフードを設置した。16時過ぎに保健所にてスクリーニング検査を受けた後、再度、6号線を1時間程南下し、担当地域周辺数か所で放浪動物の記録をつけながら、フード等を設置した。

日没前に約35km離れた川内村村民体育センターに向けて移動を開始し、19時過ぎに到着。再度、被曝線量のチェックを受けた後、直ちに保護動物をシェルターへ移送開始。

20時にシェルター到着。動物の保護状況の確認しながら受け渡し、22時、郡山帰着。一日目の活動は終了となった。


[7月15日活動手記] 福島警戒区域内動物救援獣医師チームVAFFA311
7月15日(金曜日)


早めに郡山に到着できるメンバーがいれば打合せをという夏堀団長からの声かけがあり、幸い金曜日が休診日だったことから、当日朝、自院の入院管理等を終えた後、猛烈な陽射しのなか13時半に中央林間を出発。

東京駅を経由し、東北新幹線で郡山へ。途中、那須塩原あたりで車窓から見える景色は豪雨。明朝からの活動に不安がよぎったが、17時過ぎに郡山についた時に雨の跡はなし。

20時過ぎにラジオ局の電話取材を終えた団長と、九州から参加した獣医師と合流。打合せをしながらメンバーの到着を待つ。

22時半、神奈川から新幹線で到着した獣医師2名が合流。00時をまわり、焼津から車で出発した獣医師と、途中、そこに乗車した獣医師の計3名が到着。さらに愛知県から参加の獣医師が合流し、9名が揃う。ほぼ全員が初対面だったため、自己紹介とミーティングを兼ねて夜食。

その後、ホテルに戻り、翌朝の行程、班分け等を再確認の上、2時過ぎに就寝。




活動報告:福島警戒区域内動物救援獣医師チーム VAFFA311


本日、朝7時より活動を開始し、22時過ぎに団員、皆、無事に各自部屋に戻りました。
活動報告は追って時期がきたらupさせていただきますが、
本日は、獣医師15名、ボランティア30名、車両16台による8班編成での活動となり、誠実で心優しい動物への扱い、地域への配慮をみせてくれた第4班F、Gのメンバーに心より感謝します。そして団員全員がトラブルもなく、順調な成果とともに、一日目の活動を終えたことをご報告します。

明朝は4時起床で、活動にはいります。


またご報告します


[活動報告:福島警戒区域内動物救援獣医師チームVAFFA311]


警戒区域のペット救え…獣医師ら捜索、除染も

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110713-OYT1T00418.htm

福島警戒区域内動物救援獣医師チーム VAFFA311


この数週間、いろいろな動きがあり、いろいろなことを経験し、いろいろな人の意見に耳を傾ける機会に恵まれました...いろいろな人の文章を読み、言葉を聞き、行為・行動をみました...細かな日常診療の合間に、それらについて考え、自分なりに答えを導き、応じてきました...

ただ結果として、自分はなにを語るべきなのか、自分はどうあるべきか、正しい行いとはなんなのか...建前ばかりを考えすぎてきたかな...と、今は、思っています。


今回、警戒区域内に留め置かれた愛玩動物の保護・救援にあたる、私たちのチームは 『福島警戒区域内動物救援獣医師チーム VAFFA311』 といいます。有志獣医師により結成されたチームであり、被災住民の皆さまの一時帰宅に随伴するかたちではなく、原子力災害現地対策本部・田嶋要本部長主導のもと、拡大的な警戒区域内での動物保護活動を実施する許可をいただきました。

16-17日の活動に向けて、日本全国から参加を表明した40名のチームメイト(所属獣医師)が、皆それぞれに、今回、担うべき活動についての準備を進めています。原発事故に伴い定められた警戒区域という一本の線の向こうに留め置かれた動物たちの救援活動は、当初より遅れがちであり、私たち獣医師チームは、今、ようやくスタートラインにつこうとしています。行政職員の皆様の他、いくつかの保護団体の方々、活動家の方々が、様々な形で行動されてこられたなか、今、ようやく拡大的救援活動のスタートラインにつく私たちにむけては、多くのご賛同と伴に、多くのご意見・ご批判があることを承知しています。

私たちメンバー内においても、やはりそれぞれに意見があり、それぞれに意思があり、それぞれに正義があります。しかしながら、私たちメンバーも個々の志を、それぞれの自我として胸に仕舞い、チームリーダーを中心に目標をひとつとすることで、活動を続けてこられてきた多くの方々と協調・協力させていただく準備を、今、ようやく整えることができました。行政サイドの方々のご理解・ご協力を得て、動物保護のために警戒区域内へ立ち入る許可をいただくことができました。

私たちの目標は、皆様と同様に、私たちの手で警戒区域という境界内に留め置いてしまった動物たちに、再度、私たちヒトとの関わり・生活を取り戻してもらう事にあります。しかしそれは、動物のためだけの動物救援ではなく、警戒区域内での感染症病態の発症、動物同士の無秩序な繁殖、動物たちの半野生化から、今、彼らを遠ざけることで、警戒区域という境界が除かれた将来、確実になされるであろう地域復興に向けての導入であると考えています。


チームとして、ある部分、未成熟であることは否めませんが、与えられた枠組みのなかで、個々のスキームを達成しつつ、皆様とともに、私たちも、被災地域・警戒区域内の復興の一助となれるよう前進する所存です。どうか皆様のご理解、ご協力、ご支援を賜れますよう、心よりお願い申し上げます。


繰り返しになりますが、『福島警戒区域内動物救援獣医師チーム VAFFA311』 は、その名の通り、獣医師により構成されています。動物医療において、動物たちの生命を取り扱う専門家集団であることは揺るぎないものですが、私自身は、彼らの『死』 についても、『生きる』ということ、『生かす』ということと同じ重みで感じ、それを慈しみ、『生』 だけでなく 『死』 とも真摯に向き合うことのできるチームとしての存在意義を大切にしていきたいと考えています。

どうか皆様のあたたかいご理解を賜れますよう、重ねて、心よりお願い申し上げます。


ひらの動物病院
平野由夫

福島警戒区域内動物救援活動と臨時休診のお知らせ




   東日本大震災の後、多くの動物が被災地域から救助・保護され、命をつなぎとめ、人との絆を取り戻している中、東京電力福島第一原子力発電所事故により定められた警戒区域内には、いまだに多くの犬・猫・牛・豚といった動物が取り残されています。この取り残された動物に対する救助・保護活動は、警戒区域内という制限から当初より遅れ、既に、その生存環境は劣悪なものとなりつつあります。また人との絆を持たない状況下でのこれら動物の半野生化・無秩序な繁殖・伝染病発生の可能性が高まる事は、地域復興さらには環境衛生の観点からも、今後、重大な問題となることが懸念されます。

 私たち『福島警戒区域内動物救援獣医師チーム:VAFFA311』 は動物医療の専門家として、警戒区域内動物の命と、その他地域の動物と区別することなく、警戒区域内からの動物救出・保護活動を行っています。警戒区域内で被災したご家族ならびに動物たちの真の救済、警戒区域内での無秩序な動物繁殖防止と伝染病蔓延防止対策を遂行する事で、未来にわたる人間と動物たちとの真の共生を目指し、ヒトと動物の福祉に大きく貢献できると考えています。

現在までの主な活動経過
●5月25日〜:環境省からの委嘱を受けた獣医師が(当チーム所属獣医師を含む)、避難住民の一時帰宅に随行し、放置愛玩動物・放浪愛玩動物の保護・救出。
●7月4-5日:原子力災害現地対策本部(田嶋要本部長)・福島県からの許可のもと、警戒区域内動物保護活動のため、当チーム獣医師2名が警戒区域内で活動。
●7月16-17日:原子力災害現地対策本部・田嶋要本部長主導のもと、拡大的警戒区域内動物保護活動実施のため、当チーム獣医師11名が警戒区域内で活動予定


  つきましては、上記16-17日の活動に参加のため、7月16日(土曜日)・7月17日(日曜日)は臨時休診とさせていただきます。18日(月曜日)朝9時より通常通り診療致します。


 上記日程内で再診が必要だと考えられる皆さま、処方薬等の継続が必要だと考えられる皆さまには、さらに個別でご連絡させていただいておりますが、なにかご不安・ご心配等ございましたら、どうぞ御遠慮なくご連絡くださいますよう、お願い申し上げます。

  また従来よりお付き合いのある近隣の動物病院の先生方には、私から上記の旨の連絡をいれてあります。病態に緊急性が高いと考えられる場合は、直ちに近隣の動物病院をお尋ねください。18日(月曜日)以降、ご連絡いただければ、ご希望に応じて、私より、先方の動物病院にご連絡させていただき、病態の確認・継続診療についての打ち合わせをさせていただきます。


  日常より、当院に御来院頂いている皆様方には、大変なご面倒をおかけいたしますが、何卒、ご理解賜ります様、重ねてお願い申し上げます。


ひらの動物病院
平野由夫


 

ご報告...

台風2号から変化した温帯低気圧の影響による暴風雨、冠水の為、警戒管理区域内への住民の皆様の一時立入が延期となり、それに伴い、従事を予定していた 『福島県双葉郡大熊町での動物保護活動』 についても、併せて実施目前での延期となりました。住民の皆様の一時立入の安全が確保された時点で、動物保護活動も再開し、継続されます。

また、有志による 『福島県警戒区域内動物救援獣医師チーム』も組織され、行政機関・関係団体・関係各位のご協力・連携の元、今後、さらに積極的な保護活動の継続が期待されます。


当院におきましても、突然の臨時休診のお知らせ等、今後も、ご迷惑をおかけする可能性がございますが、引き続き、何卒、ご理解賜ります様、宜しくお願い申し上げます。






数日前から連続的に発生している地震、原発内での小火災の発生、暴風雨... 多くの不安はありましたが、いよいよという時に延期との連絡をうけ、自分のなかで歯がゆさや口惜しさの方が大きいことに気づきました。

荒れる天候とは逆に、心は静かに定まったかな...と思います...